小麦は世界中で広く栽培されている穀物のひとつで、お米やトウモロコシと並ぶ「世界の三大穀物」として知られています。
さまざまな気候や土地で育ち、多くの国の食文化に欠かせない存在です。パンやうどん、パスタなど、身近な食べ物の材料としてもよく使われています。
保育園や幼稚園でも、小麦を使ったパンのメニューは子どもたちにとても人気があります。

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小麦の種類
小麦粉は、含まれるたんぱく質の量によって「強力粉」「中力粉」「薄力粉」に分けられます。たんぱく質が多いほど、生地の粘りや弾力のもととなる「グルテン」が多く作られます。
※小麦粉にグルテンがそのまま含まれているわけではありません。水を加えてこねることで、小麦たんぱく質の「グリアジン」と「グルテニン」が結びつき、グルテンが生成されます。 このグルテンの量や質によって、生地の食感が大きく変わります。
それぞれの小麦粉の特徴は以下の通りです。
- 薄力粉(たんぱく質:約6.5~9.0%)
グルテンが少なく、軽くてサクッとした食感に。ケーキやクッキー、天ぷらの衣などに使われます。 - 中力粉(たんぱく質:約7.0~10.5%)
グルテン量が中程度で、うどんやそうめんなどに。ほどよい弾力があり、家庭料理にも幅広く使えます。 - 強力粉(たんぱく質:約11.5~13.0%)
グルテンが豊富で、パンやピザなどもちもちとした食感を出したい料理に最適です。
小麦の旬
日本で栽培されている小麦の多くは、9月ごろに種をまき、翌年の7月下旬~8月上旬に収穫される「秋まき小麦」です。また、北海道では4~5月に種をまき、8月中旬に収穫される「春まき小麦」もあります。
ただし、日本は気候条件から栽培に適した地域が限られているため、国内で流通している小麦の多くは輸入品です。そのため、一年を通して安定して手に入る、使いやすい食材となっています。
小麦の栄養
小麦は炭水化物を豊富に含み、体や脳を動かす大切なエネルギー源となります。また、子どもの成長に欠かすことができないたんぱく質も多く含まれています。
おいしい「小麦」の選び方
小麦粉を選ぶときは、新鮮で変色や異臭がないものを選ぶようにしましょう。
小麦の調理のポイント
ここで保育園・幼稚園の子どもたちが「小麦」を美味しく食べられるように調理のコツについてお伝えします。給食やご家庭で活かしてみましょう。
- ふるう
小麦粉は使う前にふるっておくと、ダマになりにくく、全体がふんわり均一に仕上がります。強くふるいすぎず、やさしくふるうのがコツです。 - しっかり加熱する
小麦粉を使った料理は、加熱が十分でないと消化しにくくなります。 パンやうどん、ホットケーキなどは中までしっかり火を通しましょう。 - 用途にあった種類の小麦粉を選ぶ
小麦粉はグルテンの量によって特徴が異なります。料理に合わせて適した粉を選ぶことがポイントです。パンやピザのようにもちもちした食感を出したい場合はグルテンが多い強力粉を、ケーキやクッキーのように軽くふんわり仕上げたいときはグルテンが少ない薄力粉を使うと美味しく仕上がります。
日本のパンと世界のパン
















小麦の保存方法
次に、小麦の保存方法をご紹介します。
常温保存
湿気の少ない涼しい場所(冷暗所)で、賞味期限内に使い切るのが基本です。開封後は空気や湿気で風味や品質が落ちやすいので、なるべく早めに使い切りましょう。
※冷蔵庫で保存すると、温度差で結露ができ、小麦粉がダマになったりカビが発生する場合がありますので注意してください。
「小麦」を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安
小麦料理を与え始める時期に、厳密な決まりはありませんが、離乳食開始(生後5~6カ月ごろ)後、米や野菜、豆腐などに慣れてきた頃(開始から約1カ月後)がよいタイミングとされています。
最初は、ゆでたうどんを熱湯でしっかりやわらかくしてからつぶし、湯冷ましでのばしてペースト状にしましょう。赤ちゃん用スプーン半分程度のごく少量からスタートし、体調や様子を見ながら、徐々に量を増やしていきます。
保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合
赤ちゃんは細菌に対する抵抗力が弱いため、保存した小麦料理は、冷蔵保存の場合はその日のうちに使い切りましょう。
冷凍保存したものは、1週間以内を目安に、できるだけ早めに使い切ることが大切です。幼児食の場合でも、冷蔵保存なら数日以内、冷凍保存なら2週間以内が目安です。いずれの場合も、食べさせる前には、必ず再加熱してから与えます。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。
また、小麦はアレルギー表示が義務づけられている「特定原材料」に含まれます。
はじめて与える場合は、平日の医療機関が開いている時間帯を選び、体調や様子をよく見ながら、少量ずつ進めるようにしましょう。

子どもに話したい「小麦」の話 ~小麦クイズ!~
小麦はどんなところで育つでしょう?
- 海の中
- 田んぼ
- 畑
答え:③ 畑
⇒ 小麦は畑で育ちます。田んぼで育つお米とは育つ場所が違います。
まとめ
小麦は、パンやうどんなどの材料となる、子どもたちにも身近な食材です。エネルギーのもとになるほか、成長に必要な栄養も含まれています。
料理に合わせて粉の種類を選んだり、保存方法に気をつけたりしながら、美味しく食べましょう。
めん類、小麦粉を使った料理




他にもパスタ(スパゲティ、マカロニ)、きしめん、そうめん、ひやむぎ、すいとん など、たくさんあります!




他にも、餃子、シュウマイ、ワンタン、春巻きの皮、肉まん、カレールウ、シチュー、たこ焼き、天ぷら粉、唐揚げ粉など
小麦粉を使ったお菓子もたくさんあります!




「小麦」を使ったレシピのご紹介
