幼児専門の給食委託会社「富喜屋(ふきや)」は、全国の保育園・幼稚園・こども園に給食を提供しています。

箕面学園附属幼稚園さま【大阪府】(お弁当給食サービス(配達)

北摂の名勝地、箕面山のふもとに立地する箕面学園附属幼稚園さま。
「何事も最後まであきらめずに、やりぬき、仲間を思いやれるこども」をめざすこども像として教育にあたられている園長 屋代直己先生にお話しをお伺いしました。

『自分を大切にする』ということが根底
園長「屋代 直己先生」

箕面学園附属幼稚園

昭和24年創立の箕面学園附属幼稚園さま。
箕面学園高等学校、箕面学園福祉保育専門学校を擁する箕面学園の附属幼稚園です。
「すこやかな体・ゆたかな心の子供の成長」を教育目標に掲げ、現在170名の子供たちが元気に通っています。

園長「屋代 直己先生」

幼児期に、人との愛着関係、基本的生活習慣をつくることはとても大切です

宮崎:屋代先生、本日はお忙しい中お時間を頂きましてありがとうございます。
今日は先生のお話を楽しみにしてまいりました。先生はもともと中学校の校長先生をされていたとお聞きました。

園長:はい。私は長年、中学校の校長、そして教育委員会で教育に関わってきました。
縁あって箕面学園附属幼稚園の園長としてこどもたちの教育に携わっています。

宮崎:中学校と幼稚園という年齢も違いますし、まったく違う世界なのではと思うのですが教育という面では、何かつながるものがあるのでしょうか?

園長:そうですね、中学生というのは多感な時期です。そして中にはさまざまな課題を抱えたこどもたちもいるんですね。
そんなこどもたちと寝食を共にする「生活合宿」ということもやりました。課題のあるこどもたちも、本当に良い子ばかりなんです。でも成長の過程で愛着関係・信頼関係をつくる機会に恵まれなかったのではないかと強く感じました。

宮崎:どもたちの健やかな成長には、人との信頼関係・愛着関係をはぐくむ体験が大切ということですか?

園長:はい。本当にそう思います。
そんな沢山の生徒たち関わる中で、幼児教育、家庭での教育がいかに大切であるかをしみじみと感じるようになったんです。
特に幼児期のこどもたちにとって、人に対する基本的な関係づくり、人との愛着関係、基本的生活習慣をつくるという経験がなにより大切だと考えています。

宮崎:今、先生が幼稚園のこどもたちに一番伝えたいとお考えの事は何でしょうか?

園長:「みんな、望まれてうまれてきたんだよ」ということです。
みんなが生まれてきたことを心から喜んでくれている人がいるということです。そんな大切な命だから、「自分の身は自分で守ろう」「相手の命を大切に思いやろう」と。内容は本当にわかりやすいものなんですよ。

風邪から身を守るために「手洗い、うがいをしましょう」 夏だったら、熱中症にならないように「朝ご飯をしっかり食べよう。お水やお茶をちゃんと飲もう。お帽子をかぶろう」ということです。
食事についてもまったく同じです。健康な身体のためには、健全な食事が大切です。

幼稚園は、「生きぬく力」を養うための種まきの場だと考えています

宮崎:自分自信を大切にするために、健全な食事が大切だというお考え、とても共感します。

園長:そうですね。「お互いに自分を大切にする」というのが一番の根底です。
その基本は「基本的な生活習慣」。「早寝、早起き、朝ご飯」という言葉をご存知ですか?
これは、基本的な生活習慣を端的に表した言葉ですが、では、その内容はどうでしょうか?

朝ご飯を食べないこどもの問題がよく語られますが、一言で「朝ごはん」といっても内容は様々です。
ちゃんとご飯やパンとおかずといった朝ご飯を食べているのか? それとも買ってきた菓子パンを食べてるのか?これは全然違います。

私は幼稚園は、「自分の身は自分で守る」つまり、「生きぬく力」を養うための種まきの場だと考えています。そういった意味で食事は非常に大切です。

ファーストフードや外食といった食事ばかり食べていてはだめです。

30数年前、こどもたちを連れて遠足に行ったときです。あるこどもがインスタントラーメンをお弁当としてもってきました。しかも、ちゃんとしたお弁当じゃないこどもが何人もいる。
本当にびっくりしたのを覚えています。それ以来、遠足のたびに、そのこどもたちのお弁当を妻に作らせて持って行きました。包装紙をそれぞれ変えて、私からもらったお弁当だと周りのこどもにわからないようにこどもたちにそっと手渡したのを今でも思い出します。

将来、こどもたちが自分の健康のために「必要な食事」をちゃんと選択できるようなるために今、自然のもの、手作りのものをちゃんと食べて自然なものはおいしいと感じる味覚を育てる必要があると考えています。

宮崎:同感です。

園長:「学ぶ」は「まねぶ」からきたという話がありますが、あれは本当にその通りだと思うんですよ。
たとえば、周りのお友達はお野菜を食べられた・・・「自分もマネして食べてみよう」・・・「食べられた!」そんな本当に小さな成功体験の積み重ねこそ大切だと思うのです。

今のこどもたちは「ひもじい思い」なんてしたことがありません。いつでも、どこでも食べるものにあふれているからです。でも、その中身はどうでしょうか?菓子パンであったりインスタントラーメンであったり、ファーストフードであったり・・・これでは、将来、大人になって、親から巣立った後、自分の健康をちゃんと管理することができないと思います。
だからこそ、今、幼児教育の中での基本的な食習慣が本当に大切だと思います

宮崎:本当にそうですね。成長の過程で、ちゃんと手づくりされたお食事、自然な素材を使ったお食事、健康的なお食事をするという経験を日々積み重ねることが、こどもたちの「食を選択する力」を育むことにつながると考えています。
そういう意味で、私たち給食をおつくりする者は、こどもたちの将来の健康に大変重たい責任を負っていると思っています。

これからも、本当にこどもたちの為になる給食をお届けできるよう頑張って参ります。どうぞよろしくお願い致します。今日はお忙しい中本当にありがとうございました。

取材後記

中学校の校長先生をされていた時のお話には、二児の父として、本当に感じるところがありました。

そして、子供たちの未来を考えると、「子供の喜ぶもの、食べやすいもの」だけでなく、本当に子供の為になる「食事」をご提供することが大切だという思いをあらたにしました。