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「りんご(林檎)」の こどもに話したい!栄養と調理・保存のコツ【食育コラム】

りんごは、平安時代以降、中国から導入された「和りんご」として知られる品種が起源です。
当初のりんごは酸味が強く、小さかったとされています。しかし、明治時代に入ると、アメリカから「西洋りんご」の苗木が持ち込まれ、今日一般的に見られる大きなりんごの品種が栽培されるようになりました。

保育園・幼稚園給食では、すりおろして食べることができるりんごは、離乳食から使える貴重な果物です。

「りんご(林檎)」の こどもに話したい!栄養と調理・保存のコツ【食育コラム】

りんご の旬

りんごの旬は、品種によって異なりますが、一般的に10月から3月にかけてとされています。

りんご の栄養

りんごには、ビタミンCやカリウム、食物繊維の一種であるペクチンが含まれています。

おいしい「りんご」の選び方

傷がなく、全体が赤くなっているものを選びましょう(赤い品種の場合)。

りんご の調理のポイント

ここで保育園・幼稚園の子どもたちが「りんご」を美味しく食べられるように調理のコツについてお伝えします。給食やご家庭で活かしてみてください。

  • 変色を防ごう!
    りんごの断面が変色してしまうのは、りんごに含まれるポリフェノールが、空気に触れて酸化してしまうためです。
    りんごは塩水やはちみつ水に浸けることで酸化を防ぎ、断面の変色を抑えることができます。

りんご の保存方法

次に、りんごの保存方法をご紹介します。りんごは、季節によって保存場所を変えることで美味しさが長持ちします。

常温保存

りんごは、1個ずつ新聞紙で包んで、常温で保存します。1カ月程度を目安に使い切りましょう。

【ポイント】
りんごは、段ボール箱にそのまま入っていることが多いですが、熟成を促進するエチレンガスを放出するため、他のりんごに影響を与え、熟成が進みやすくなります。必ず1個ずつ新聞紙などで包んでから保存しましょう。

冷蔵保存

りんごは秋から冬にかけて旬を迎える果物のため、0~5℃の低い温度での保存が適しています。そのため、夏場などの暑い時期は、冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。

  1. りんごは、1個ずつ新聞紙で包みます。
  2. 保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。保存の目安は1〜2ヶ月程度です。

冷凍保存

  1. りんごを薄く切って、塩水に浸します。
  2. 水気をクッキングペーパーなどで拭き取って、冷凍用保存袋へ。保存の目安は1カ月程度です。

【ポイント】
・皮はお好みで剥いてください。
・保存する際は、りんご同士が重ならないようにしましょう。

解凍について

冷凍りんごは、冷蔵庫で半解凍してシャーベットのように、また、そのまま加熱調理に使えます。

「りんご」を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安

りんごは、離乳初期(5〜6カ月ごろ)から導入できます。初期の段階では、りんごの果汁を与え、中期以降、すりおろしたり、細かく刻んだものを加熱して与えることが一般的です。

※りんごの誤嚥・窒息に注意
内閣府の「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」によれば、りんごは、硬さや切り方によって窒息の危険があるため、安全を考慮して完了期まで加熱調理して提供することが推奨されています。

保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合

赤ちゃんは細菌に対して抵抗力が弱いため、冷蔵保存したものは当日、冷凍保存の場合で1週間を目安になるべく早めに使い切りましょう。幼児の場合でも、冷蔵保存で数日、冷凍保存で2週間以内が目安です。また、食べさせる前には、必ず再加熱してから与えます。

※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。
はじめて与える場合は、平日の医療機関が開いている時間帯がおすすめです。お子さんの様子をみながら離乳食を進めてください。

食材を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安|保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合

こどもに話したいりんごの話 ~変色したりんごを元に戻すことはできる?~

りんごは、皮をむいたままにしておくと、どんどん茶色く変色してしまいます。
すぐに塩水に浸けるのがベストですが、万が一茶色くなってしまったら100%のオレンジジュースに浸けてみましょう。10分ほどつけると元の色に戻ります。


これは、りんごが酸化して変色した部分をオレンジジュースに含まれるビタミンCが還元(ポリフェノールと酸素の結びつきを外す効果があるため)し、変色を抑えてくれるためです。

まとめ

現在、品種改良により一年中りんごを楽しむことができますが、一般的な旬は10月から3月の秋から冬にかけてとされています。

この時期は、りんごの風味が豊かで、りんごマフィンやジャム、パイ、りんごソースなど、さまざまな料理を楽しむチャンスです。新鮮なりんごを利用して、子どもたちと一緒にお好みの料理を作ってみてはいかがでしょうか。

「りんご」を使ったレシピのご紹介

「りんごとレモンのマフィン」お母さんの味・昭和の和食レシピ
りんごとレモンのマフィン」お母さんの味・昭和の和食レシピ