秋になると、和菓子や赤飯で親しまれるあずき。
その名前は江戸時代の学者、貝原益軒がまとめた本『大和本草』に由来し、赤く煮ると崩れやすい性質から「あずき」と名づけられたと伝えられています。
保育園や幼稚園では、豆をそのまま使うと誤嚥の心配があるため、形を残さずこしあんにしたり、やわらかく煮て蒸しパンに混ぜたりして、安全に食べられる工夫をしています。

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あずき の旬
あずきは9~10月が収穫期で、10月以降に新豆が市場に出回ります。
新豆は皮がやわらかく、煮えやすいのが特徴です。
あずき の栄養
あずきの主成分はたんぱく質で、体を作る材料になります。
また、赤い皮には抗酸化作用のあるポリフェノール「アントシアニン」が含まれています。
おいしい「あずき」の選び方
新鮮なあずきを選ぶには、いくつかのポイントがあります。
- 豆にふくらみがある
- 粒の大きさがそろっている
- 皮に傷やしわがない
良質な豆を選ぶことで、炊きあがりもふっくらと美味しくなります。
あずき の調理のポイント
子どもにあずきを食べさせるときは、園でも家庭でも「硬さ」や「大きさ」に注意が必要です。
かむ力や飲み込む力が十分でない子どもには、ゆでたあずきを裏ごしして皮を取り除き、つぶしてからおかゆや野菜に混ぜたり、ペースト状にするのがおすすめです。
ここでは、子どもから大人まで楽しめる「あずきをおいしく煮るポイント」をご紹介します。
小豆を美味しく煮るポイント
- 長時間水につけず、軽く洗うだけ
小豆は表皮から水を吸いにくいので、浸水すると煮えムラの原因になります。 - 弱火でゆっくり煮る
皮が破れないように、焦らずじっくり煮るとふっくら仕上がります。 - 差し水で吹きこぼれを防ぐ
煮ている途中に冷たい水を少量加えると、吹きこぼれを抑えつつ柔らかく仕上がります。 - 柔らかさの目安
豆を指で軽く押してつぶれるくらいの柔らかさが、子どもが食べやすい状態です。








あずき の保存方法
次に、あずきの保存方法をご紹介します。
乾燥豆は保存がきくイメージがありますが、湿気や温度によって虫がわくこともあるため注意が必要です。
常温保存
通気性のある紙袋や布袋に入れ、冷暗所で保存します。
密閉容器を使う場合は、直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所に置きましょう。
湿気が入らないよう乾燥剤を入れると安心です。
保存期間の目安は、2週間~1カ月(未開封の乾燥あずきは約1年)です。
冷蔵保存
夏場など気温が高い時期は、冷蔵保存がおすすめです。
湿気を防ぐため、密閉容器に入れることが大切です。
保存期間の目安は、2週間~1カ月です。
冷凍保存
ゆであずきを小分けにして冷凍すると、必要な分だけ取り出して使えます。
保存期間の目安は、約1カ月です。
解凍について
冷蔵庫で自然解凍するか、加熱して解凍します。
あんこ、おしるこ、ぜんざい、スープなどに活用できます。
【ご注意】豆類の幼児の窒息リスクについて
豆類は、硬いままや粒が残る状態では誤嚥や窒息の危険があります。
特に5歳以下の子どもには注意が必要です。
必ずやわらかく調理し、小さくしてから与えましょう。
【参考】Vol.580 硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!
「あずき」を離乳食に取り入れる時期と硬さの目安
あずきは離乳食に無理に取り入れる必要はありませんが、
味付け前のあずきであれば、離乳食後期(9~11か月ごろ)から使えます。
ゆでたあずきは裏ごしして皮を取り除き、つぶしてからおかゆやつぶした野菜、
プレーンヨーグルトなどに混ぜて与えましょう。
※市販のお菓子用の茹であずきは糖分が多いため、離乳食には向きません。
保存した食材を離乳食・幼児食に取り入れる場合
赤ちゃんは細菌に対して抵抗力が弱いため、冷蔵保存したものは当日、冷凍保存の場合で1週間を目安になるべく早めに使い切りましょう。
幼児の場合でも、冷蔵保存で数日、冷凍保存で2週間以内が目安です。
また、食べさせる前には、必ず再加熱してから与えます。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。
はじめて与える場合は、平日の医療機関が開いている時間帯がおすすめです。お子さんの様子をみながら、少量から離乳食を進めてください。

こどもに話したい「あずき」の話 ~あずきクイズ!~
あずきはどんな食べものに使われているでしょう?
- おしるこ
- ケーキ
- カレー
答え:① おしるこ
※ほかにも、あんぱん・赤飯・ようかんなどに使われています。
まとめ
あずきは、和菓子やお赤飯に使われ、季節や行事を感じられる食材です。
子どもには柔らかく煮るなど工夫し、安全に配慮して食卓に取り入れましょう。









