炭水化物やたんぱく質、脂質のようにエネルギー源にはならないけれど、整腸作用で注目されている「食物繊維」。
過不足は「機嫌が悪い」、「食欲がない」、「おなかが張っている」など、子どもの体調不良の原因になることもあります。
そこで、今回はそんな「食物繊維」の働きや種類、上手に摂るためのポイントを解説します。
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「食物繊維」は「水溶性(すいようせい)」と「不溶性(ふようせい)」の2種類
食物繊維とは、消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分の総称で、腸の健康に必要な栄養素として“第6の栄養素”といわれることもあります。
水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維には、食品の水分を含んでゲル化する性質があり、血糖値の上昇を穏やかにしてくれたり、コレステロールを吸着して、体外に排出してくれたりする働きがあります。代表的な食物繊維に、アルギン酸、グルコマンナン、ペクチンなどがあります。
<多く含まれている食べ物>
昆布、わかめ、果物など
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らみ、腸を刺激してぜんどう運動を活発にします。代表的な食物繊維は、セルロース、ヘミセルロース、キトサンなどです。
<多く含まれている食べ物>
野菜類、穀類、豆類、きのこ類など
「食物繊維」の上手な摂り方
食物繊維は、便秘をはじめ、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病予防に重要な栄養素です。
摂り過ぎの心配よりも、むしろ不足しがちといわれ、積極的な摂取がすすめられています。
ここで上手に摂るポイントを2つご紹介します。
1.野菜料理は1食に1皿は食べよう!
食物繊維の摂取源である野菜料理は意識しないと不足しやすいものです。
朝・昼・夕に小鉢、1~2皿くらい食べることを目指されるとよいでしょう。
※3歳から5歳向け「東京都幼児用食事バランスガイド」では、1日に副菜70gを4つ摂取することをすすめています。
2.加熱した温野菜を摂る
野菜は茹でるとカサが減るので食物繊維が摂りやすくなります。
具沢山のお味噌汁やスープなどを適度に取り入れるのがおすすめです。
成長期にある子どもたちの健康維持に「食物繊維」を忘れずに!
食物繊維は、便通の改善をサポートするだけでなく、血糖値の上昇や脂質の吸収を抑えるといった、さまざまな働きを持っている重要な栄養素の1つです。
おやつには食物繊維が豊富なバナナやさつまいもなどを取り入れて、食物繊維が不足しないようにするとよいでしょう。