調味料の「さしすせそ」とは、和食の味付けの基本になる5つの調味料のこと。また、その使用する順序を覚えるための語呂合わせです。
第4回目は「しお(塩)」についてです。
- さとう(砂糖)
- しお(塩)
- す(酢)
- せうゆ(醤油)
※旧仮名遣いです - みそ(味噌)
index
「しお(塩)」は日々のおかずを作る際に欠かせない調味料です
しかし、塩について身近すぎて、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
ここでは塩の歴史をはじめ、種類、活用法についてお伝えします。お子さんと一緒に塩についてもっと深めてみましょう。
日本の塩づくりのはじまりはいつ頃? どのように作られていた?
日本では縄文時代の終わりから塩づくりが始まり、平安時代まで土器を使って作られていました。作り方は、土器の中に海水を入れ、煮詰めて作るという手法です。
海水の塩分濃度は3%しかなく、作れる塩の量は多くないことから、当時は貴重なものとして扱われていたそうです。
ちなみに、ヨーロッパでは塩が使われてきた歴史はさらに古く、メソポタミア文明、エジプト文明の時代から塩が作られていたといわれています。
「しお(塩)」にはどんな種類があるの?
日本で塩といえば「海塩」を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、そのほかにも岩塩や湖塩、精製塩や再生加工塩などがあります。ここでそれぞれの違いをお伝えします。お子さんとの話題の1つにしてみてください。
- 海塩 (天日塩、せんごう塩)
島国に住んでいる日本人にとって一番馴染みがある海水から出来た塩で、海水を天日で干して作る「天日塩」と釜で煮詰めて作る「せんごう塩」があります。
塩全体の生産量の3割を占め、天日塩はミネラルが豊富な特徴があります。 - 岩塩
かつて海だった場所が地形の変動によって隆起し、陸上に残された海水が長い年月をかけて蒸発、結晶化したものが岩塩で、「海の化石」ともいわれています。産地としてヒマラヤ山脈やアンデス山脈が有名で、市販されている岩塩はすべて外国産です。塩全体の生産量の6割を占め、海塩よりもシャープなしょっぱさが特徴です。
また、岩塩は地層に含まれていたミネラルや有機物によって赤やピンク、青、黄色とさまざまな色のものが見られます。 - 湖塩
産地としてはウユニ塩湖や死海が有名です。かつて海だったところの水が蒸発し、塩分濃度が高くなった湖の湖水から作られた塩です。生産量は塩全体の1割程度と最も少ない塩で、海塩と岩塩の中間のような特徴があります。 - 精製塩
海水から電気分解でナトリウムイオンを抽出し、煮詰めて結晶化した塩化ナトリウム 99%以上にした塩のことです。価格が安く、純粋な塩味が特徴です。 - 再生加工塩
輸入原塩(メキシコやオーストラリア産などの天日塩)を日本で水又は海水に溶かして再び結晶化(精製)して塩にしたものです。 にがり等を人工的に加え、ミネラル分を調整したものもあります。
ミネラルバランスで決まる「しお(塩)」の味わい
塩の味は、塩味だけと思われがちですが、ミネラルのバランスによって異なります。パッケージ裏の栄養成分表示を見ながら、お子さんと一緒に塩を選ぶときの参考にしてみるとよいでしょう。
- ナトリウム:塩辛味
- カルシウム:甘味
- マグネシウム:苦味
- カリウム:酸味
上記の成分が多い塩は、その味が強くなる傾向があります。
「しお(塩)」の5つの活用法
塩の役割としてパッと思いつくことは、料理に塩味をつけることだと思います。でも、それ以外にも塩には調理上で役立つ作用があります。一体、どんなことでしょう。
ここで簡単に振り返ってみましょう。
- 塩味をつける
おにぎりやおかずなど様々な料理に塩味をつけます。お子さんと一緒に料理を作る際は、塩をふってもらうなど、簡単なお手伝いからはじめられるのはおすすめです。 - 変色防止に
皮をむいたりんごや桃などに塩水をつけると変色の原因である酸化を防ぎます。 - 味の相互作用
スイカに塩をふると甘味が引き立ちます。お子さんと一緒に塩をふる前とふった後のスイカの味を比べてみるのも面白そうですね。また、野菜を茹でる際に、塩を入れた湯で茹でると、野菜の甘味を引き出す作用もあります。 - 防腐効果
脱水作用によって微生物の繁殖を抑え、防止する役割があります。 - 脱水作用
魚や野菜に塩を振って、水分を出します。その結果、水分と一緒に臭みが出るので美味しくなったり、しんなりして調味料が染み込みやすくなったりと嬉しい効果があります。
「しお(塩)」を意識した生活で食べる楽しみを増やそう
塩はひとくちに塩といっても、海塩、岩塩などさまざまな種類があります。
ぜひ、スーパーに行かれた際は、お子さんとどんな塩を使ってみたいか話し合ってみるのもよいですね。
きっと、塩を変えるだけでいつもの料理がひと味違ったメニューに感じられることでしょう。