
「舌育(したいく)」という言葉を見かけることが増えてきました。
はじめて聞くと、少しむずかしそうに感じるかもしれません。
でも、ここでお話ししたい舌育は、
何かを教えたり、正しくできているかを確認したりする話ではありません。
もっとシンプルに、
食べる時間を、こどもと一緒に味わう
そんな感覚のことです。
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味覚には、育ちやすい時期があると言われています
味を感じる力は、生まれたときから少しずつ働いていて、
乳幼児期、とくに1〜3歳ごろに大きく育つと言われています。
この時期に感じた味や香りの体験が、
その後の食の好みに影響することもあるそうです。
だからといって、
何か特別なことをする必要がある、という話ではありません。
ただ、
日々の食卓の中で、多彩ないろいろな味に触れる機会があるといいですね
というくらいの話です。
「感じる」ことが先にあります
こどもにとって、食べることは体験そのものです。
- おいしい
- ちょっと苦手
- 今日は好き
- よくわからない
どれも、その日の正直な感覚です。
言葉が出てこなくてもいいし、大人がそれに対してがんばって説明しなくても大丈夫。
感じたことが、そのままこどもに残っていきます。
多彩な味は、特別なものじゃなくていい
多彩な味というと、
何か特別な食材や、たくさんの種類を思い浮かべるかもしれません。
でも、実際には、
いつものごはんやおかず、だしの風味、調味料の違いなど、
日常の中に、十分いろいろな味があります。
「今日はいつもとちょっと違うね」
そんな一言が出るだけでも、
味わう体験は自然に積み重なっていきます。

大人にとっても、同じ時間
忙しい毎日の中で、
私たち大人も、味わうことを忘れがちです。
何かをしながら食べたり、
考え事をしながら口に運んだり。
でも、ときどき立ち止まって、
「おいしいね」と言える時間があるだけで、
食べることの印象は少し変わります。
舌育は、こどもだけの話ではなく、
一緒に食べる人みんなの話でもあります。

まとめにかえて
舌育は、
何かを教えたりするためのものではありません。
日々の食卓の中で、
いろいろな味に触れながら、
「おいしいね」と言える時間がある。
そんな積み重ねが、
結果として味覚の幅につながっていくのかもしれません。
できたらいいね、くらいの気持ちで。
食べる時間を、いつもより少しだけ多く楽しんでみる。
それが、この話のいちばん伝えたいところです。
→次回は、「舌育2」日々の食卓で楽しむヒントを掲載予定です
